紫外線と眩しさ、対策方法 1.光が無いと人間は「見る」ことができない
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2.「光」の分類が必要です
3.メガネでの対策の前提 Link
4.ではどうすればよいのか Link
5.常用できて眩しさを防ぐカラーとは? Link
6.唯一の例外?調光レンズ Link
7.濃いカラーレンズは目に悪い? Link
8.偏光レンズとは Link

当店を含め、メガネ屋さんでは「紫外線」の対策について、相談・問い合わせを頂くことが多いです。
ここで、大事な事なのですが、よくこの2つは混同して考えられているケースが多いのです。

「紫外線」 と 「眩しさ」 の扱い方です。

これらは「レンズの種類」、「カラーの種類」によっても大きく影響される事があります。 これらについて、解説してみたいと思います。

1.光が無いと人間は「見る」ことができない


人間が目に見えているもの、これは全て光の作用によって人間の視覚で認知できるものと捉える事ができます。 光が全く無ければ人間の視覚は何も感じない→見えないことになりますので。
光の性質を大雑把に分類すると、「人間の肉眼で見えるもの」、「人間の肉眼では見えないもの」があります。

専門用語では

「見えるもの」→「可視光線」
「見えないもの」→「不可視光線」

と呼ばれます。

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2.「光」の分類が必要です


上記の画像は可視光線をそれぞれ分類すると、光の波長の長さは色によって分類できます。 この色が無い部分は「可視光線」ではないので、人間の肉眼では見ることができません。


そして、それぞれ人間が可視できない光線(不可視光線)のうち、

波長の短い方 → 紫外線
波長の長い方 → 赤外線

と呼びます。


つまり、人間界で影響を受ける光線を大雑把に分類すると

「紫外線」
「可視光線」
「赤外線」

の3つ、ということになります。


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3.メガネでの対策の前提

ここまでの前提が、「眩しさ」、「紫外線」の問題を解くカギになります。

◎眩しさの原因

 →人間の肉眼に見える光線(=可視光線)のうち、特定の波長(色)の光量が強すぎる状態

◎紫外線関連の原因

 →人間の肉眼には見えない光線(=不可視光線)が与えるもので、肉眼で見えるものとは無関係


ひとことでまとめると、

眩しさの対策 → 可視光線への対策
紫外線の対策 → 可視光線ではないものへの対策

になります。

この点を混同してしまうと、

「眩しい」から何とかしたい場合に、「無色や非常に色の薄いUVカットサングラスやUVカット付き眼鏡レンズ」を選んでいるケースなどが起こってしまいがちです。
この場合、紫外線カットに関してはほぼどんなレンズでも意味を成しますが、「眩しい」という愁訴の解決にはあまりならないと思われます。

※ここでいう紫外線は「平地の日常で影響する、太陽光から照射される紫外線」を基準にしています。  例えば溶接などの強力な電磁波が存在する環境で発生する紫外線は別物とお考え下さい。  あまり関係ないかもしれませんが、万一混同されるといけませんので述べておきます。

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4.ではどうすればよいのか

前項で、「眩しさ」、「紫外線」はそれぞれ別に対策が必要なことを述べました。
では、実際にどのような対策をするのがベターなのでしょう?私なりの考え方を述べてみます。


A.「眩しさ対策」
 → 用途に合わせて必要な濃さのレンズを選択する
例えば真夏の晴天時の太陽光の眩しさを軽減したい、
という事 あればできるだけ濃度の濃いカラーの方が良い、という場合が多いです

B.「紫外線対策」
 → 大きく目の周囲をカバーできて、かつサングラス(眼鏡)と 目の間に隙間ができないものを選ぶのが良いと思います。
※ただし、網膜疾患等の眼病対策として屋内でも色付きレンズを使用する場合はこの限りでないと思います。

実際には、両方を兼ね備えたサングラス(眼鏡レンズ)をお選び頂くのがベターだと思います。

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5.常用できて眩しさを防ぐカラーとは?

主に眼鏡の色付きレンズを希望される場合にある話ですが、「常用前提眼鏡のカラー選択」 についてです。

結論から書きますと、

「晴天時の屋外の眩しさも軽減できて、かつ夜間や暗い屋内でも暗くなりすぎずに使えるカラー」
というのは「ほぼ無理だろう」と思います。

どちらもまぁまぁ使えるというのは出来るかもしれませんが、
それよりも 「必要な時だけ濃いカラーのレンズのものを使う方法」を検討された方が 良いと思います。

実際のところ、晴天時の直射日光下での眩しさを軽減させたい場合、
色の種類 にもよりますが、濃度が50パーセントぐらいでもまだ眩しい事はよくありま す。

ところがその濃度では夜間などは暗くなりすぎて、かえって使いにくいものに なります。
逆に夜間でも使える「無色」、「非常に薄いカラー」だと、今度は晴天時の眩 しさ対策にはあまりなりません。

コレ一本で何でもOK、みたいなオールラウンドカラーというのは 本当に難しいと思います。

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6.唯一の例外?調光レンズ

前項で述べた「オールラウンド」的な使い方の出来そうもので、
「調光レンズ」と呼ばれる、紫外線を受けた場合に濃度が変化する レンズがあります。

【調光レンズの特徴】

◎調光レンズは紫外線を浴びやすい日中の太陽光下ではカラー濃度が濃くなります
◎紫外線の届かない状態になるとカラー濃度がかなり薄くなります。 (まったくの透明にはなりません)

例えば、HOYAのサンテックネオブラウンですと、普通のカラーレンズに 置き換えた場合、
カラー濃度が15%〜85%程度に変化します。 (最大変化量の数値なので環境によっては変わります)
これだと屋外でも、屋内でも、まあまあ使えるケースが多いので 普段使いには非常に大変便利なレンズです。
ただし、万能というわけではなく、次の点に注意は必要です。

【調光レンズの注意点】

A.カラー状態の薄い→濃いの濃度変化に比べ、濃い→薄いの濃度変化 はやや時間が掛かります。
屋外→屋内へ移動した場合など、急激に明度が落ちるケースでは 濃度が濃いままで見えにくい事も起こりえます。
※最近発売された調光レンズは、以前のものに比べ色の退色が早いものが多いですが、それでも数分程度は掛かるようです。

B.車の運転時の眩しさ軽減用途で検討される場合には、調光レンズは あまりオススメしません。
調光レンズは紫外線に反応して濃度が濃いカラーになるのですが、UVカットのフロントガラスを使用している車内では、十分な紫外線が届かず、濃度変化が得られないケースが多いようです。

C.調光レンズの特性でどうしようも無い事の一つに気温の影響があります。
気温が低い程、カラー濃度は濃くなりやすく、気温が高い場合はその 逆になります。
これはそのレンズの最も濃くなるカラー濃度の濃い/薄いとも関係して きます。


最大濃度自体が薄いカラータイプの調光レンズで特に起こりそうですが、 夏場などの高温環境で使用される場合、自分の予想よりもレンズが濃くならない →眩しさの軽減に足らない、といったケースも有り得ます。

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7.濃いカラーレンズは目に悪い?

「薄いカラーレンズの方が紫外線対策には良い(目に良い)」
「濃いカラーレンズは紫外線対策に悪い(目に悪い)」

という話をテレビや新聞、ネットなどで多く聞きます。
情報の発信源は医療関係者や大学教授といった方が多く、 「そうに違いない」と思われても仕方がないと思います。


しかしこの話はホントなのでしょうか?
テレビ等で「濃いカラーレンズが紫外線対策に適さない」?とされている 理由は大まかに言って次の通りです。

◎濃いカラーを使った場合、視界が暗くなり、瞳孔が大きくなる

◎薄いカラーだと、あまり視界が暗くならない=瞳孔が大きくならないのでそ の心配は少ない

◎サングラス・眼鏡をした場合、どうしても目との間に隙間ができるので、完 全に紫外線を遮断するのはまず無理

◎その際に瞳孔が大きくなっているほど紫外線を沢山取り込みやすくなる。

◎よって濃いカラーは紫外線対策に適さない


これは人間の反応として起こる「暗順応」が関係しています。
「暗順応」は暗い場所では光量が少なくなるので、瞳孔が開き光量を確保しよ うとする働きです。

ただ、実際にカラーレンズを使う場合では、使用環境の考慮が要ります。
例えば日中の直射日光下と日陰で比較した場合、明るさ(光量)には 大きな差ができます。

理論上の数値ははっきりと分かりませんが、数十倍程度は明るさの差が できると思われます。

仮に

(A)「晴天の直射日光下」で「80%以上の濃度のカラーレンズ使用」 と

(B)「日陰」で「裸眼」または「無色のカラーレンズ使用」

を比較した場合ですが、 明らかに(A)の方が明るい状態だと思われます。
そうすると、むしろ「瞳孔の大きくなる」のは(B)の方になるとではないかと思われます。

つまり

◎現実に多い使用環境(相当に明るい場所等)では濃いカラーレンズでも暗順 応が起こって、瞳孔が大きくなる事はほとんどない
◎よってレンズカラーの濃度差は、紫外線対策にはほとんど関係ない(多少の 差はあっても現実的な問題にはならない)

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8.偏光レンズとは

もうひとつ機能レンズとして良く名前出て来るレンズ。
先ほどの調光レンズとよく混同されがちなレンズ、「偏光レンズ」です。
多分、「色が変わるレンズ」→「変光(へんこう)」という流れで勘違いされ やすいのでしょうが、目的や用途は全く違います。
偏光レンズは「カラー濃度が変化する事はありません」。ご注意を。


【偏光レンズの特徴】

◎レンズ製造過程で前面後面の間に、レンズ偏光膜と呼ばれるフィルタを挟ん だ(サンドイッチ構造)ものです。

◎この偏光膜の働きですが、眼鏡レンズ、サングラスの場合、「垂直方向から 反射してくる光のカット」になります。

◎この働きにより、地面や水面(雪面)で起こる太陽光の反射(ぎらつき)を 大きくカットできます。
反射光のチラツキは日差しが強い場合、照り返しが起こりやすい条件で起こる ハレーション(光によって映像が白飛びして見えなくなる現象)の原因になります。

◎反射光の軽減によって眩しさの軽減、ひいては眼精疲労の軽減につながる場合があります。

◎また、偏光レンズの特性上、有る程度濃いレンズになりますので、同時に眩 しさの軽減にもなります。

◎その為、反射光のカットが重要なドライブやマリンスポーツ、その他アウト ドア用途全般に大変有用なレンズです。


【偏光レンズの欠点】

◎製造方法に起因するものとして、重さ、厚みがその他のレンズよりも大きく なります。

◎サンドイッチ構造の為、溝堀が必要な「半分ふちなし(ハームリム)」タイ プのフレームには不向きです。溝を掘った面から水分が浸透し偏光膜を侵食し 、剥離の恐れが大きくなる為です。

◎出来るだけ「ふちの有るフルリムフレーム」でのご使用をおすすめします。

◎特性上、どうしてもある程度以上の濃いカラーレンズとなってしまうので、 屋内や夜間など暗い場所での使用にはあまり向いていません。

◎美観上、濃いカラーレンズでは困る場合も同様です。


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