ファクトリー900、その中でも定番モデルとして著名なFA-204です。
 極太のセルロイド、立体感のある造形、ゴーグル的な佇まいと度付き可能なスタイル、
ファクトリー900の代表的なモデルです。

 レンズサイズは横幅56ミリと一般的な眼鏡フレームと比べると、やや大きめの部類です。

 このため、度数がそこそこ強くなると、レンズ前面カーブの変化が問題になってきます。




 それではまず、実際に組み込むレンズ単体で比較してみます。
 使用しているレンズは、S-4.75、という当店のお客様でも比較的多い部類の中度近視の度数のものです。

 このぐらいの度数になってきますと、一般的な球面レンズ、非球面レンズともに
前面カーブが浅い(2カーブ前後)ものになってきます。

 向かって左側に使っているのが前面「4.75カーブ指定」のレンズ。
 向かって右側が一般的な非球面レンズです。(約2カーブ)

 屈折率はともに1.67、とプラスチックレンズとしては高屈折のものを使用しました。

左のレンズ→4.75カーブ
右のレンズ→2カーブ
4.75カーブレンズ
2カーブレンズ
(非球面レンズ)
厚みとレンズ前面カーブが結構違いますね。



 並べて見ると分かりますが、


  左側のレンズはレンズ前面カーブがしっかり付いているのに対して、右側の
レンズの前面はほとんどフラットに見えます。


 また、レンズの基本的な特性ですが、レンズ前面カーブが浅いほどレンズは
薄く仕上がりますので、左のレンズは厚みが結構有るのが見て取れます。











4.75カーブレンズに比べ、非球面レンズの方は「レンズが前に飛び出す部分が大きい」
のが見て取れます。




写真では左側に移っているのが4.75カーブレンズ
上から見るとほとんど違いがありません



さすがに度なしレンズとまったく同じというわけにはいきませんが、遜色のないレンズの
収まり具合が見て取れます。





写真では右に移っている方が2カーブレンズ
この角度だとよく分かります


こちらの方は度つきレンズが前面に飛び出しているのがよく分かります。






 実際、見た目の判断も価値観の違いによって異なってくると思います。
 例えば、レンズの厚みという点においては、非球面レンズが有利ですから、そちらを
優先されるのもひとつの方法かもしれませんね。

 ただ、ファクトリー900をご購入される場合、度付き前のスタイルをできるだけ崩したくない、
というご要望が多いです。

 もちろん、度無しの状況と全く同じ、という訳にはいきませんが、このようにかなり
近づける事は可能です。

■次のような場合は4.75カーブレンズをオススメします

◎中度以上(目安としてはSPH-4.00Dより強度)の近視の場合
◎乱視度数が入る場合で、乱視軸が「135°〜0°」、または「0°〜45°」の水平よりの方向になる場合。

→この場合、一般的な球面レンズを使用しますと、レンズ前面カーブがかなりフラットに仕上がります。
度数等にもよりますが「3カーブ以下(実際には2カーブ程度が多い)」に仕上がることがほとんどです。
初期状態のデモレンズカーブは表面約4.75〜5カーブのものを使っていますので、度付きにした場合のイメージが最初とかけ離れたものになってしまいます。
そのため、表面4.75カーブ指定可能なレンズを使う必要性が出てくるのです。